F1

最終戦ポイント2倍…タイヤ交換禁止…過去F1で存在したおかしなルールを解説【黒歴史】

2021年のF1では、シーズン中に「スプリント予選方式」が導入され賛否両論が沸き起こりましたが、
これまでのF1の長い歴史の中では、黒歴史とも言えるおかしなレギュレーションが存在していました。

今回は、かつて存在したF1のおかしなレギュレーションについて解説していきたいと思います。

過去F1で存在したおかしなレギュレーション

タイヤ交換禁止(2005年)

引用:https://livedoor.blogimg.jp/qoozy/imgs/e/7/e7ceb3d1.jpg

ブリヂストンとミシュランによる激しいタイヤ開発競争が巻き起こっていた2000年代中盤のF1。

そんな最中の2005年には、レギュレーションが変更されこれまで行われてきたレース中のタイヤ交換を禁じ、予選と決勝を通じて1セットのタイヤで走りきらないと行けないという規則が追加されたのです。

これは、コストを削減やスピードの抑制を図るためのものでしたが、「タイヤに問題を抱えてもペナルティを恐れてタイヤを変えないチームの出現や、終始タイヤを労るレース展開になることでF1がつまらなくなるのではないかと懸念の声が挙がりました。

実際にシーズンが始まると、ドライバーたちはタイヤの寿命を持たせるために、プッシュしない走りに終始するようになり、レースの醍醐味が減少。
更にはレース終盤に持ちこたえれなくなったタイヤがバーストしてしまう場面がみられ、レギュレーションに対する非難が殺到しました。

また、第9戦アメリカGPではフリー走行時にミシュランタイヤを履くトヨタのラルフ・シューマッハのクラッシュを発端に、
ミシュランが持ち込んだタイヤに安全性の判明。
ミシュランユーザーの14台がレースをボイコットする事態となりました。

こうした事態が重なり、このレギュレーションはわずか一年で廃止され、レース中のタイヤ交換が復活しました。

チームオーダー禁止(2003年-2010年)

引用:https://cdn.images-dot.com/S2000/upload/2019073000099_1.jpg?update=20190731115720&width=850&fit=bounds

ミハエル・シューマッハとともに黄金期を築いていた、2000年代初頭のフェラーリ。
しかしシューマッハ優先の体制を取るあまり批判に晒されるも多くありました。

2001年オーストリアGPでは2位を走っていた当時のフェラーリのセカンドドライバー、ルーベンス・バリチェロが、チャンピオンを争うミハエルをゴール直前で前に行かせるチームオーダーが発令されると、翌年のオーストリアGPでも同様のチームオーダーを発令。
大きな批判を浴びせられたものの、フェラーリ側はチームオーダーを正当化するスタンスをとったため更に物議を醸しました。

この問題を受けたFIAは翌2003年、チームオーダーの禁止をレギュレーションに盛り込みました。
しかし実際には各チームで隠し言葉を事前に決め、運営側が聞いてもわからないような形でのチームオーダーが横行していました。

形骸化していたチームオーダーでしたが、2010年のドイツGPでトップを走っていたフェラーリのフェリペ・マッサに対して、チームメイトのフェルナンド・アロンソを前に行かせるよう様に暗に伝える無線で出された、いわゆる「ファスターザンユー事件」発生。

この際のフェラーリの無線内容があからさまだったことや、マッサがあからさまにアロンソを譲ったことからこの事件は問題となり、形骸化していたチームオーダー禁止のレギュレーションを見直すきっかけとなりました。

そして2011年より、チームオーダー禁止の規定がレギュレーションから外されることになりました。

タイム合算の予選(2005年)

引用:https://response.jp/imgs/ogp_f/56485.jpg

タイヤ交換禁止ルールが制定された2005年に、もう一つの物議を醸したレギュレーションがありました。

合算タイムにより順位を決める予選フォーマットです。
2003年から各ドライバーがそれぞれ1周ずつの計測ラップを走るいわゆる「スーパーラップ」方式で決勝のグリッドを決めるという予選フォーマットが採用されていましたが、
2005年からは土曜日と日曜日の予選セッションで記録したタイムの合算でグリッドを決める方式に変更されたのです。

誰が速いかひと目で判断することが難しいこのグリッド決定方法は案の定不評を呼び、
更には日曜日の午前中に開催される2回目の予選セッションを時間が悪く編成上生中継できない国のテレビ局も多くわずか6戦で実施されたのみで従来の予選フォーマットに戻されることになりました。

時限式ノックアウト予選(2016年)

引用:https://ad8.motorsports.ch/iconv/msc/is/news/201603/96552.jpg?sw=1280&sl=853&sj=1

F1では2006年にノックアウト方式の予選が導入され定着していましたが、
2014年からメルセデスが独走するシーズンが続いていた事で、グリッドに番狂わせを起こしてレースをエキサイティングなものにしようと予選フォーマットの変更を画策。

リバースグリッドなど様々な案が検討され、最終的に「時限式ノックアウト方式」が採用されたのです。

この予選方式では、Q1、Q2、Q3の各セッションで開始から一定時間が経過した時点で最下位タイムの1台が脱落、その90秒後に次に遅い1台…というような形で
段階的に1台ずつノックアウトされていく方式でした。

しかし、従来の方式であれば時間的に2回アタックすることができたところを1回でタイムを出さなければなくなった下位チームにとっては逆に難しい予選になってしまい
実際には「速いチームがより有利」な予選方式となっていました。

さらに、90秒後に次のドライバーがノックアウトされるこの規定では、ノックアウトゾーンのドライバーはすでにアタックラップに入るくらいの位置関係になければタイム更新に間に合わないため、
前の順位のノックアウトが決まった段階で実質次の順位のノックアウトも決まってしまうことも多々発生してしまいました。

ドライバーたちからも批判の声が寄せられ、メルセデスのルイス・ハミルトンは「サッカーのピッチに2個めのボールを投入するような愚かなもの」とコメント。
第3戦中国GPからは従来の予選方式に戻されることが決定しました。

最終戦のみポイント2倍(2014年)

引用:https://formula1-data.com/assets/img/uploads/2020/03/f1-rewind-2014-bahrain.jpg

2014年のF1グランプリでは、チャンピオンシップをよりおもしろくするための試みとしてシーズン最終戦のみ、
チャンピオンシップポイントを2倍にして付与するというレギュレーションが追加されました。

これにより、優勝した場合は通常25ポイントのところ、最終戦では50ポイントを獲得することができ、
チャンピオンシップの展開によっては大逆転を演出することになりました。

しかし、モータースポーツの最高峰であるF1においてふさわしくないルールだとして、発表直後から多くの反対意見が上がり現役ドライバーたちからも否定的な声が多く寄せられました。

また、多くのファンはダブルポイント制度によってチャンピオンが変わってしまうことを危惧していました。

結局この年はこの制度の有無によってチャンピオンが変わるような結末にはならなかったものの、ファンに受け入れられなかったこの最終戦ダブルポイント制度は1年で廃止されることになります。

【動画で解説】実はF1のエンジンを開発していた日本のメーカー